イジワル男子の甘い声
信じて








「全然違うなぁ…」


同じ人間なのに。
同じ制服なのに。


部屋に帰ってきて、部屋の姿見に映った自分の姿を結構な時間見つめる。


夕飯時の時間。


今日もパパはいない。


きっともう、例の人の家にでも住んでるんじゃないかな。
洗濯物なんかを見る限り、私が学校の間に帰ってきてるような痕跡はあるけど。


いや、今はそんなこと置いておこう。


問題なのは、この、目の前に映っている自分だ。


いつものまっすぐストレートの髪の毛は、ハーフアップにされていて全て緩く巻かれている。


自分でも一瞬、誰かわからなかった。


メイクもナチュラルだけど、それでも、化粧っ気が全然ない私からしたら、全然違う!


いや、本当に誰!


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