イジワル男子の甘い声





パチっと目が覚めてベッド横の窓を見ると、カーテンの後ろはまだ薄暗かった。


頭上に置いてる目覚まし時計を見ると、時刻は朝の5時。


アラームは5時半に設定したけど、それよりも早く起きてしまった。


昨日、優と過ごした1日を頭の中で再生させて、口元を緩める。


すっごくすっごく楽しかった。


1日が終わってほしくないって思ったのはうまれて始めてかもしれない。


でも…これからはいくらでもできるんだよね…。


布団をギュッと抱きしめては何度も昨日のデートに浸る。


「ううん。起きようっ」


そうだ。
今日は、優との約束を守るって決めたんだ。


静かに部屋から出て、洗面所で顔を洗い、急いで玄関に向かう。


「よかった…いる」


私のローファーの隣に並んだひとまわり大きい革靴。


パパの靴。


まだパパは自室で寝ているんだろう。


起きてくる前に、準備終わらせなきゃ。


急いでキッチンに向かい、エプロンをする。


「よしっ、」


ちゃんと、伝えるんだ。


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