イジワル男子の甘い声


無意識に子供の頃からずっと、私はパパにとって元気で明るくて手のかからない子でいるんだって。


勉強はそんなにできなくても良かった。


家の仕事を早く覚えて一人でできるようにして、病気にならないように食べ物の好き嫌いもしなかった。


「何言ってるんだ双葉…そんなこと…」


「そんなことできるよ、仕事よりも私のことが大事だったらできるよ」


パパだって本当は気づいているでしょう。
気づいていてよ。


今、すれ違ったままだったらどんどん離れていっちゃう。


優が言っていたように、言えるうちに、正せるうちにどーにかしなきゃ。


「私は、パパが思ってるよりもままだまだ子供です。一人でご飯は寂しい、パパが知らない人と仲良くしていると怖い」


「……っ、」


< 315 / 374 >

この作品をシェア

pagetop