イジワル男子の甘い声
「あぁ…ほんっとブスっ」
っ?!
グイッと俯いていた顔を、両頬を包まれて持ち上げられると、目の前には不機嫌顔の優でいっぱいになる。
「彼女にそれしか言えないんですか?」
結構傷つくんだからね。
す、す、す、好きな人に、ブスって言われるなんてさ。
「本当のこと言ってるだけだろ」
「ぶー」
そんなこと言ってみるけど、本当は、こんなに至近距離で話すのはまだまだ慣れないし、緊張して顔が熱持つのがわかる。
キーンコーンカーンコーン
っ?!
「あっ、予鈴、です」
聞こえているはずなのに、優は頬を覆ってる手を離そうとしない。
「ゆ、優?授業…」
何も言わずにこちらをあんまり見つめてくるもんだから、目をそらしながら声をかける。