イジワル男子の甘い声





「ど、どう?」


2人ソファに並んで、彼女の作ったアップルパイを一口食べると、味覚が脳に伝わる前に、双葉が顔を覗き込んできた。


サクッとパイ生地のいい音がなって、ジュワと溶けかけてる果肉が飛び出して、それがパイ生地と絡まって、


余分な甘さも控えめで、林檎本来の味が生かされている。ドンピシャで俺好みだ。


「うん。うまい」


「よかった〜」


双葉はホッと胸をなでおろすと、自分も、パクッとアップルパイを口に放り込んで「ん〜上出来!」と声を出す。


「あのさ…双…」


「あ、そういえばうちの学校の購買にもアップルパイ売ってるよね!小さいやつ!優は食べたことある?」


「え、いや…」


今の絶対、俺の声をわざと遮られた感じがする。


「食べてみたいな〜ミカもあれはすぐに売り切れちゃうって言ってたっけ」


「双葉」


「やっぱり人気なんだね〜あ、人気といえば────」


「黙って」


「っ、」


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