イジワル男子の甘い声
どうしようもなく愛おしくて なんて思ってるのは多分今は俺の方がでかい気がして。
気づかれたら負けた気がするから。
「双葉、絶対受かれよ。じゃないと半殺し」
「半殺しって…だからそれ女の子に言っちゃダメだよ。優も、浮気しないでね。したら許さない」
「へ〜許さないって、例えばどーすんの?」
っ?!
突然、俺の下で俺を見上げていた彼女の腕が俺の首に回って。
気付けば、目をつぶった彼女の顔でいっぱいになっていた。
ほんっっと、ムカつく。
こんなこと、教えた覚えないから。
「半殺し、、かな」
すぐに唇を離した彼女は、ほんの少し大人な顔をしてニヤッと笑った。
ほんっと、世界で一番ムカついて、
世界で一番、愛おしい。
物理的な距離なんて、どーにでもしてやる。
「クソ生意気」
彼女の耳元で、彼女がずっと惚れていた声でつぶやくと、少し体がビクついて。
「うっ、イ、イジワル」
まだまだお前は、俺に勝てねぇよ。