イジワル男子の甘い声
離れていても
[双葉 side]


「もうっ、双葉のバカ!」

「引っ越す前日に話すなんてありえない!何にも準備してないんだからね!」


優に、引越しのことをちゃんと話せて一週間が経って。


本当にあっという間だった。


駅に向かうバスを待ってる中、ぐちゃぐちゃの顔をして泣いてるみんなの顔を一人一人見つめる。


学校があるのに、みんなお見送りに来てくれた。


ずっと、同じsakuのファンとして、過ごして来たみんな。


そこは、ちゃんと私のもう1つの居場所になっていた。


「ごめんごめん。私も急だったもんで片付けとか色々忙しくって」


正直、前のアパートから引っ越して来た時のままだった段ボールをクローゼットから出しただけなんだけどね。


「私たちは双葉のことずっと友達だと思ってたのに!こんなギリギリにいうなんて!」


「うん。ごめん。みんなのこと大好きだよ。sakuの話、今まで一緒にしてくれてありがとう。sakuのこと好きになってくれてありがとう」


「ぶっ、なにそれ。まるで双葉、sakuの彼女みたい」


っ?!


そういったのはミカで、そんなミカの顔は明らかに意地悪な顔をしている。


まるで、なんでもお見通しだって顔だ。


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