イジワル男子の甘い声
*
「ごちそうさまでした。ふ〜お腹いっぱい」
空になったお皿の前で手を合わせる。
我ながら上出来にできたと思うよ。
オムライス。
目の前の男は、終始無言で食べていたけれど。今はもう、お皿を片付けてソファに寝転んでいる。
ご飯食べた後にすぐ横になったら牛になるんだぞ。
っていうか…美味しいとか何にも言わなかったな。美味しくなかったかな?
それにしても…。
お腹が満たされている今、今までの自分の行動を思い出して、大変なことをしていることに気付く。
なんてこった。
今、私は、あの柏場優作の部屋にいる。
おかしい。
極限状態の私、まじで呪うぜ。
「か、柏場くん。あの、今日は本当に申し訳ないです」
食卓のお皿を片付ける前に、ソファの前に向かって目をつぶってる彼にそういう。