イジワル男子の甘い声






「ごちそうさまでした。ふ〜お腹いっぱい」



空になったお皿の前で手を合わせる。


我ながら上出来にできたと思うよ。
オムライス。


目の前の男は、終始無言で食べていたけれど。今はもう、お皿を片付けてソファに寝転んでいる。


ご飯食べた後にすぐ横になったら牛になるんだぞ。


っていうか…美味しいとか何にも言わなかったな。美味しくなかったかな?


それにしても…。

お腹が満たされている今、今までの自分の行動を思い出して、大変なことをしていることに気付く。


なんてこった。


今、私は、あの柏場優作の部屋にいる。



おかしい。


極限状態の私、まじで呪うぜ。


「か、柏場くん。あの、今日は本当に申し訳ないです」



食卓のお皿を片付ける前に、ソファの前に向かって目をつぶってる彼にそういう。



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