イジワル男子の甘い声



「……何を今更」


薄目でこちらを睨んだ柏場。やっぱり怖い。

っていうか、お腹空いてればこの目をなんとも思わなかった私も怖い。


「お腹が満たされて、今の状況をやっと冷静に把握できたといいますか…。あ、明日の朝、パパが帰ってきたらすぐ─────」



────グイッ


え?


あっという間のその状況に、頭が追いつかない。


私は、さっきまで柏場が横になっていたはずのソファに仰向けになっていて、目の前には柏場の顔とその後ろに、真っ白い天井が見える。


なにこれ…。


「あの…柏…」


なんで、柏場くんにソファの上で押し倒されているんでしょうか!



「そんなつもりはなかった」


「…え?」


「そういうこという女が一番嫌いなんだよ」


どどどどいうこと?!


なんか怒らせること言ったかな?!


そりゃ、もう結構序盤から怒らせてばかりなのはわかってるけどさ!


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