イジワル男子の甘い声
「俺に襲われても、今のお前は何1つ文句は言えないから」
柏場は、私の両手首をそれぞれソファの上に押し付けたまま話す。
下から見る柏場も、悔しいけれどちゃんと整っている。
垂れている髪の毛が妙に大人に見せるし。
「へっ?柏場くん、私を襲うんですか」
「はぁ…」
柏場は、でっかいため息をついてから私の体を押さえつけるのをやめてソファに座りなおした。
「今のお前の状況、そーなってもおかしくねーってこと」
「おかしいよ。だって柏場くんだし。柏場くんだって私のこと嫌いでしょう」
男の子の家に強引にお世話になる、そのことに少し抵抗は感じていたけれど。
女嫌いに見える柏場がそんなことするとは思えなかったから。