イジワル男子の甘い声
「嫌いっていうか興味がない」
「っ…」
今、私の心臓にグサッと鋭いなにかが刺さった気分だよ。
嫌いも傷つくけど、興味がないっていうのもそれなりにくる。
いや、こっちの方が傷つくかもしれない。
「じゃあ、なおさら大丈夫じゃん!なにを脅かす必要があるかね…」
「できるよ」
「えっ、」
ボソッとつぶやく柏場の横顔を見ると、ゆっくりとこちらを向いた彼とバチっと目があった。
「興味ない女ともやれるから、俺」
「……」
言葉が出ない。
なんて返せばいいんだ。
今さら、じゃあ出て行きますって言った方がいいってこと?
行くところなんて…。
「皿、片付けておけよ。俺は風呂入って寝るから」
「えっ、あ、うんっ」