花と君といつまでも(完結)
「それっは...出来ないん...です」


紫苑は顔が崩れるほど泣いていた。


何でそんなに泣いてるんだよ紫苑


「理由を、教えてくれないか?」

泣きじゃくっている紫苑に聞きやすいように話した


その時、彼女が倒れかかっていて俺が慌てて支えた。
病気は...本当だったのか?


顔色も凄く悪くて、今にも気を失いそうな彼女をひとまず日陰のベンチに連れてった。


すると彼女はポツリ、ポツリと話し始めた



難病指定の病気にかかっていたこと。
もう長くないこと。
彼女の話を黙っていたが、気付いてしまった。


彼女は、俺を愛してないんじゃない
俺を愛してくれているから故に恋人になる事すらしてくれないのだ。
俺が何度も愛を伝えたのは、彼女にとって酷だったのかもしれない。


「そうか、辛かったな
ごめんな 俺の気持ちがお前を苦しめてたんだな」



そう呟いた時、紫苑の容態が急変した。


「紫苑!おい!しっかりしろ!紫苑!!」


俺は慌てて救急車を呼んだ。
救急隊員に彼女の名前を言うと、もう分かっていたかのように話してくれた。

少し不思議に思ったが、救急車に電話するのなんて初めてで そんなものかと思った。
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