花と君といつまでも(完結)
俺は一晩中紫苑のそばを離れなかった。

朝になると俺もただそばに居ることが限界で、何もしてやれないことが悔しくて、彼女にはどうしようもないのに


「なぁ、紫苑
俺はお前がいないと幸せにはなれないんだ。
まだ出会って数ヶ月なのに、お前がいない世界なんて耐えられないんだよ。
死ぬなよ紫苑...」

死ぬな...






紫苑から1粒の涙がこぼれた







「紫苑!?おい!しっかりしろ!紫苑!!」






紫苑は、目を開けた。


「水原...さん。ごめ...んね」



彼女は喋るのですら苦しそうだった。



「もう喋らなくていい。
でも、辛いかもしれないけど俺のワガママ一つだけ聞いてくれ。
そしたら、いなくなったこと許してやる」


紫苑は瞬きで頷いた



「最後に、最後に 名前で呼んでくれないか」


最後なんて言いたくなかった。
けど、最後だ。もう、楽にしてあげたい。





「じゅ...んや...さん...
あぃ...し...てる...」


「紫苑!しっかりしろ!!!」


彼女の身体を強く揺らしてしまいそうになった。
けど、ハルヒさんといつの間にか来ていた譲二さんに止められた。



「ハ...ルヒさ...ん
じょうじ...さ...んも
あ...りが...とう...」



「紫苑ちゃん、良いのよ。
アナタはよく頑張った。いくら私たちがいようと、1人で辛かったよね。...」


「紫苑ちゃん。おネエなこと黙っててごめんね
純君のこと取らないように見張って頂戴よ
毎月お花頂戴。紫苑ちゃん...」
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