記憶の中の想い
「ハル…」

俺はあの時…



「ハルごめん。今日行けなくなったんだ」
「彼女がどうしてもって言ってて」
「いいって。早く彼女んとこいってやんな」
「悪い。この埋め合わせは必ず」
「おぅ。じゃあな」

俺はあの日。ハルと買い物の約束をしてたのに、彼女を優先させてしまった

最近通り魔が出るって話も聞いてたのに

ハルはその辺の女より可愛い顔立ちだった
でも、男だしまさか襲われるなんて想像もしてなかった

ブー。ブー。
「はい」
『もしもし。未樹くん?』
「おばさん?どうしたんすか?」
『春樹がまだ帰って来なくて。携帯も出ないし今日一緒に買い物に行くって言ってたから』
「すいません。今日俺行けなくなったんすよ」
『そう。じゃあもう少し待ってみるわ』

ハルがまだ帰ってない
時刻は21時を廻ったとこだった

「まさかな…」

翌日学校でうちの生徒が通り魔の被害にあったと、緊急集会が開かれた
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