記憶の中の想い
彼女には散々責められたが、そんなのどうでもよくて

今は出来る限りハルの傍にいたい

例え記憶がなくても…

ハル…生きててよかった…



「ハル。起きてる?」
「寝てる?」

コンコン。ガチャッ

「失礼します」
「また刑事さんですか」
「佐伯さんは?」

ん…?だれか来てる?

「事件の事で話があるんですよ」
「刑事さん達もしつこいですね。ハルは被害者なんですよ?」

また…警察?

「ハルは今眠ってるんで、またにしてもらえます?」
「わかりました。また来ます」

「本当にしつこい」

未樹は…なんであんなに怒ってるんだろう

俺は病室の天井をじっと見ながら考えてた

「未樹。俺はあの日…何してたんだろう」
「ハル?」
「本当は俺から誘ったのかな?」
「バカ。そんな事あるわけないだろ⁉︎」

未樹…泣きそうな顔してる

「怖いよ未樹。俺は…なんで生きてるんだろう…」
「みんな本当の事隠してる。誰も何も教えてくれない」

怖い…ひとりはいやだ…未樹…

俺はベッドに横になりながら未樹に手を伸ばした

「ハル。お願いだ。そんな事いわないでくれ」

俺はまた気づけば泣いていた

本当の事が…知りたい…
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