【短】Virtual Reality
そう思って、すちゃり、とスマホをカバンから取り出す。
私のスマホは、手帳型のカバーで保護されてるんだけど。
「あ~…、藍那?そのカバーね、めっちゃ暑いんだけど。熱こもって、俺死にそう…」
「近々、ハードカバーにするわよ」
「まじか!やったね!この前までのハードカバー、実は俺のお気に入りだったからさっ」
「それは、私も同じ」
会話を続けながらも、メールのチェックをする。
職場からのヘルプ要請は今の所まだ無い。
それに安堵して、最近の癒やしであるアプリを開いた。
「あ、そのアプリ、そろそろアプデしないと!」
「…そうなの?」
「うん。もー…重くて重くて…おれ、嫌い」
「わかった。じゃあ今からアプデする」