【短】Virtual Reality


確か、私のスマホは今年の春で3年目に突入したはずだ。

でも、今までこんな事一度もなかった。



大体、私のスマホが、なんだって男なの?
良き理解者ならば、女の子だっていいわけじゃない?



それに、だ。


助けを求めてたというのは、なんなんだろうか。


そんなつもりは、毛頭ない。


就活してた時も、今の職場に入ってからも。

泣き言なんか言った事はないし、そう思った事もない…と思う。



世知辛い競争社会に身を置いて、男性の多い世界で自立して。

漸く…漸く掴んだ、今の地位。


大した地位では無いけれど、それでも踏ん張るには丁度いい。

どれだけ処理し切れないデスクワークに追われても。

無理やり作った愛想笑いを、繰り返し振り撒き続けてなきゃならなくても。


私は、救いを求めた事なんて…。


なかったはず。

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