【短】Virtual Reality
「一緒に寝るからって、変なコトしたら怒るよ?」
「えぇ?!」
「する気だったのか…」
「ね、寝顔見るだけ!それしかしないよ?!」
「それ、何かされるよりいや…」
「なんでー?!おれの毎晩のお楽しみなのに…」
「…やっぱり、ハウス!那岐わんこ!」
「やだー!」
そんな風に、ベットの中でじゃれ合いながら、気付けばもう午前0時をとっくに過ぎていて。
「ほら、那岐。いい加減もう寝るよ!」
「んー…」
「って、寝るの早いし」
「あいなー…へへへ…」
「緩み切った顔して、どんな夢見てんのよ…」
私はそう言って、那岐の鼻をきゅっと摘んだ。
でも、那岐は変わらず夢の中。
なんだかんだと攻防戦の後、ぎゅうっと抱き締められた那岐の腕の中で、私はゆっくりと瞳を閉じた。
この温もりが、明日も続きます様に…。
明日も私を包んでくれます様に…。
「1回私の前に現れたんだから、ちゃんと責任取ってよね」
呟く私はその後小さく欠伸をした。