【短】Virtual Reality
「ねぇ?泊めてほしいの?」
視線を合わせれば、那岐はにぱっと笑って私に飛び付く。
「ていうか、毎晩一緒に寝てるし、朝も一緒だし、それからそれからっ」
「…はぁー…分かった。じゃあ、今夜だけよ?」
引っ詰めていた髪を下ろして、ブレザーを脱いだ。
なんなんだか、憎めないこの存在。
ちょっと待って?
…那岐。
…那岐。
…那岐?
その名前、何処かで、聞いたような…?