夢乃くんにご注意ください


「最初はそういう気持ちだけだった。でも今は違う」

同じところなんてなかった私たちが同じ色の瞳をして見つめ合っている。


「瑠花と一緒にいると楽しいし時間を忘れるし、なにより心が安らぐ」

夢乃くんは優しく私の手を握った。


「俺は瑠花がほしい」

ギュッとされた手は大きくて暖かくて、でも少し緊張してるのが伝わってきて、私は受け止めるようにその手を握り返す。


「だから俺のものになって。俺だけの本当の彼女になってください」

私の感情がこんなにも動くのは夢乃くんだけ。

答えなんて、はじめから決まっている。


「……はいっ」

泣きながら夢乃くんに抱きついた。

夢乃くんは私の身体に手を回して優しいけれど力強く包み込んでくれた。

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