夢乃くんにご注意ください
夢乃くんの匂い。夢乃くんの体温。
そのすべてが愛しくて、好きって気持ちがこんなにも溢れてくる。
私が求めるようにもっと夢乃くんを抱きしめ返すと耳元で夢乃くんが困ったような声を出した。
「どうしよう、瑠花……」
「ん?」
「可愛くて押し倒したくなっちゃった」
夢乃くんが余裕のないような、いたずらっ子のようなどっちともとれる顔をしていて私は慌てて夢乃くんから身体を離す。
「ダ、ダメです、ダメです……!」
危ない。私も危うく学校ということを忘れそうになっていた。
「なんで、いいじゃん」
夢乃くんはまた私の腰に手を当てる。
夢乃くんの指が煽るような動きをしていて、また私の身体が熱を帯びていく。
「わ、私の心臓がおかしくなっちゃう……!」
まるで綱引きのようにまた夢乃くんを押し返した。
それでも夢乃くんはズルいぐらい男の人の力を使って、悪魔のような顔でまた囁く。
「なってよ、もっとドキドキしておかしくなって」
「……っ」
やっぱり夢乃くんは意地悪だ。