夢乃くんにご注意ください


登場人物も新たに増えて、もちろん右京さまは健在。しかもそれだけではない。

今まで1パターンしかなかった年齢がなんと小学生、中学生、高校生、大学生、社会人と選べるようになっていて、つまり右京さまの幼少期から大人になった姿を見れるだけでなく、その時代ごとに恋愛できてしまうという神のようなゲームに進化していた。


「へえ」

私の熱量とは真逆に夢乃くんの冷めた声。


「これはすごいことですよ!乙ゲーの中でも革命です!」

離れつつあったゲーム愛がすっかり戻ってしまった私は早速ダウンロードして、もちろん相手は右京さま。


「俺がいるのにまたゲームで恋愛するんだ」

「それとこれとは話が違います」

「どう違うの?」

「ゲームは現実じゃ味わえないシチュエーションだったりまた違った高揚感を……わっ!」


ドスッと私は夢乃くんに押し倒されて、視界にはゲームではなく夢乃くんがいる。


「でもゲームでも味わえないこともあるよね?」

私に覆いかぶさる夢乃くんの身体が重たい。


「もう右京さま、右京さまって言えないぐらいのキスしようよ」

ドキッと天井に届くぐらいの勢いで心臓が飛び跳ねる。
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