夢乃くんにご注意ください


「すいません。取り乱しました」

あのまま続けていれば軽く3時間は余裕だったと思う。


「そんなに好きなんだ、右京さまのこと」

「はい。それはもう……!」

夢乃くんは私のスマホの画面を見つめて右京さまと睨めっこ。


やっぱり乙ゲーをやってるってことは理解されにくいんだろうか。

私のように隠してる人がほとんどだし、もっと幅広い人に認知されて、乙ゲーに対する偏見とかが世の中からなくなればいいのに……。


「たしかにカッコいいね、右京さま」

「わ、分かりますか!?」

夢乃くんがなんの躊躇いもなく言うから感動して思わず手を握ってしまった。


「うん。分かる分かる。俺様系フェロモン男子?」

「そうです!いつもツンツンしてるんですけど、たまに艶っぽい声でドキドキするようなことを言ってくれるんですよー!」

こうなったら私はもう止まらない。

夢乃くんが偏見を持たない人でよかった!
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