夢乃くんにご注意ください


「乙ゲーのどこがそんなに好きなの?」

「全部ですよ!女の子の夢がたくさん詰まってます!」

右京さまの存在にどれだけ救われたか分からない。たかがゲームだけど、それを生きがいにしてる人たちは沢山いる。


「でも俺はやっぱり二次元じゃ満足できないな。だってゲームは触れないし、こうして至近距離でお互いを確かめることもできない」

ゆ、夢乃くんの顔が近い……!


「もう!夢乃くんはどうしてそういう方向にすぐ持っていこうとするんですか!」

「んーなにが?」

「……っ」

だんだん夢乃くんの顔が憎らしく見えてきた。


そんなことをしてる間に時間は過ぎて窓の外は夕焼け色に染まっていた。


「瑠花の部屋って、なんだか落ち着くね」

夢乃くんはまるで自分の部屋のようにくつろいでいて、たまに可愛いあくびを何回かしていた。


「そうですか?夢乃くんはたくさん女の子の部屋に入ったことがありそうなので私の部屋なんて……」

「前にも言ったけど付き合ったことがあるのはひとりだけだから全然ないよ。友達関係の女の子の家になんてまず行かないしね」


……じゃあ、私はなんなんだろうか。

一応付き合ってることになってるけど、それはあくまで付き合ってるフリだし。
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