不器用王子の甘い誘惑
18.みんなの王子様は
お昼休みに未智が様子を見に来てくれた。
「早瀬主任が帰れそうなら帰っていいぞって。
平気?1人で帰れる?」
「ありがとう。
寝ていたお陰でだいぶいいみたい。」
未智が持ってきてくれた鞄を持って帰ることにした。
「松田さんって本当にかっこいいよね。
紗良のことお姫様抱っこ………。」
「え?したの?っていうかされたの?私。」
どうしよう。絶対に重いのに……。
そんなことより私の命が!!
「しそうな勢いだっただけ。
甲斐甲斐しく医務室に連れていく様が良かったよ〜!
お姫様抱っこされたら面白かったのに。」
「面白くないよ。
また先輩方に目をつけられて命がいくらあっても足りないよ。」
あろうことか松田さんの方によろめかなくてもいいのに!
熱を出した時の私の馬鹿!
お姫様抱っこされていなくても、松田さんに医務室へ連れていかれたことはみんなに見られたんだ。
また明日からの会社が怖くて余計に熱が上がりそうだった。
次の日、会社へ行くとまず香川先輩の異動が発表されていて驚いた。
もっと驚いたのは香川先輩を松田さんが庇ったとみんなが噂していること。
その噂で王子様人気が過熱しそうだった。
お陰で私が医務室に連れていかれたことは話題にも上らなかった。
香川先輩の何を庇ったのか分からないまま、それでも、松田さんはみんなの王子様だからね。その答えがとっても納得がいった。
私も大勢の1人として優しくしてもらえただけ有難いと思わなくっちゃ。
その王子様は朝から席にいなくて、みんなの王子様は忙しいんだなと呑気に思っていた。
しばらくして天野さんが「体調はどう?」と様子を見に来てくれた。
「大丈夫です。
天野さんにまでご心配を……。」
「何を言ってるの。
紗良ちゃんは可愛い娘みたいなもんよ。
でね。ちょっといいかしら。」
「はい。」
天野さんに連れられて小さな会議室に来た。
たまに天野さんには仕事のアドバイスをしてもらったりしていて、部署が変わってもお世話になっていた。
今日も何か仕事のアドバイスかなと思っていると意外な話だった。
「松田くんが香川さんのこと庇った話は誰かから聞いた?」
「はい。みんなが噂しているのでなんとなくは……。」
「そう。それ、紗良ちゃんのためだとおばさんは思うわけ。」
「え……………。」
「松田くん。このことで呼び出されてるわ。
ちょっと苦しい嘘だったから。」
「早瀬主任が帰れそうなら帰っていいぞって。
平気?1人で帰れる?」
「ありがとう。
寝ていたお陰でだいぶいいみたい。」
未智が持ってきてくれた鞄を持って帰ることにした。
「松田さんって本当にかっこいいよね。
紗良のことお姫様抱っこ………。」
「え?したの?っていうかされたの?私。」
どうしよう。絶対に重いのに……。
そんなことより私の命が!!
「しそうな勢いだっただけ。
甲斐甲斐しく医務室に連れていく様が良かったよ〜!
お姫様抱っこされたら面白かったのに。」
「面白くないよ。
また先輩方に目をつけられて命がいくらあっても足りないよ。」
あろうことか松田さんの方によろめかなくてもいいのに!
熱を出した時の私の馬鹿!
お姫様抱っこされていなくても、松田さんに医務室へ連れていかれたことはみんなに見られたんだ。
また明日からの会社が怖くて余計に熱が上がりそうだった。
次の日、会社へ行くとまず香川先輩の異動が発表されていて驚いた。
もっと驚いたのは香川先輩を松田さんが庇ったとみんなが噂していること。
その噂で王子様人気が過熱しそうだった。
お陰で私が医務室に連れていかれたことは話題にも上らなかった。
香川先輩の何を庇ったのか分からないまま、それでも、松田さんはみんなの王子様だからね。その答えがとっても納得がいった。
私も大勢の1人として優しくしてもらえただけ有難いと思わなくっちゃ。
その王子様は朝から席にいなくて、みんなの王子様は忙しいんだなと呑気に思っていた。
しばらくして天野さんが「体調はどう?」と様子を見に来てくれた。
「大丈夫です。
天野さんにまでご心配を……。」
「何を言ってるの。
紗良ちゃんは可愛い娘みたいなもんよ。
でね。ちょっといいかしら。」
「はい。」
天野さんに連れられて小さな会議室に来た。
たまに天野さんには仕事のアドバイスをしてもらったりしていて、部署が変わってもお世話になっていた。
今日も何か仕事のアドバイスかなと思っていると意外な話だった。
「松田くんが香川さんのこと庇った話は誰かから聞いた?」
「はい。みんなが噂しているのでなんとなくは……。」
「そう。それ、紗良ちゃんのためだとおばさんは思うわけ。」
「え……………。」
「松田くん。このことで呼び出されてるわ。
ちょっと苦しい嘘だったから。」