消極的に一直線。【完】
「雫、おまたせー」
そこに、倖子ちゃんの声が、大きく響いた。
目を向けると、内巻きの髪を指でくるくると弄びながら、倖子ちゃんがこっちに歩いてくる。
倖子ちゃんは、ちらっとカウンターの方に視線を向けて、苦い顔をした。
「中雅鈴葉もいたんだ」
ガタ、と音をたてて、向かいの椅子に座る。
「雫、大丈夫?」
顔を覗き込まれて、小さく頷くと、倖子ちゃんはあからさまに息を吐いた。
「コーヒー飲んで、早く他のところ行こ」
そう言って、朝羽くんを呼ぶと、コーヒーを二つ注文した倖子ちゃん。
コーヒーは、すぐにやってきた。
「飲んだらカラオケ行こう。雫から、いろいろ話聞きたいしさ」
倖子ちゃんは、少しだけ笑って、カップに口をつけた。
「うん」
何の話か、なんて、すぐにわかる。
今日、気づいてしまった、私の気持ち。
そして、鈴葉ちゃんと颯見くんの二人に感じている、この気持ち。
倖子ちゃんに、早く聞いてほしい。
コーヒーは少し苦くて、できるだけ早く喉に流し込んだ。
そこに、倖子ちゃんの声が、大きく響いた。
目を向けると、内巻きの髪を指でくるくると弄びながら、倖子ちゃんがこっちに歩いてくる。
倖子ちゃんは、ちらっとカウンターの方に視線を向けて、苦い顔をした。
「中雅鈴葉もいたんだ」
ガタ、と音をたてて、向かいの椅子に座る。
「雫、大丈夫?」
顔を覗き込まれて、小さく頷くと、倖子ちゃんはあからさまに息を吐いた。
「コーヒー飲んで、早く他のところ行こ」
そう言って、朝羽くんを呼ぶと、コーヒーを二つ注文した倖子ちゃん。
コーヒーは、すぐにやってきた。
「飲んだらカラオケ行こう。雫から、いろいろ話聞きたいしさ」
倖子ちゃんは、少しだけ笑って、カップに口をつけた。
「うん」
何の話か、なんて、すぐにわかる。
今日、気づいてしまった、私の気持ち。
そして、鈴葉ちゃんと颯見くんの二人に感じている、この気持ち。
倖子ちゃんに、早く聞いてほしい。
コーヒーは少し苦くて、できるだけ早く喉に流し込んだ。