消極的に一直線。【完】
人と接するのは難しい。
緊張して、上手く話せない。
例えば、「おはよう」って話しかけたいとする。
そうすると、言うタイミングは今で大丈夫かな、とか、馴れ馴れしいなんて思われないかな、とか、いろんなことが気になって、「おはよう」を言うまでにすごく勇気がいる。
なのに、勇気を振り絞って言った「おはよう」は、案外声が小さすぎて相手に聞こえなかったりとか。
そんなことが、私は日常茶飯事。
二学期こそは、クラスに友達、できるといいなぁ。
校門前の上り坂を一歩一歩のぼりながら、そんなことを思った。
今日から、高校一年の二学期が始まる。
暦は秋だけど、日差しはまだまだ真夏。
目元ギリギリに揃った前髪が額にぴったりとくっつく。
一瞬だけ、ぶわっと風が通り過ぎて、腰まであるおさげの三つ編みがなびいた。
今の、いい風。
私の前を歩く、同じ制服を着た女の子達が、ひゃー、なんて声をあげた。
あんな風に友達同士で笑い合って登校したり、友達同士で騒いだり。
いつか私も、そんな風になりたい。なれるかな。
坂の上に小さく校門が見え始める。
じんわりと滲む額の汗が目に染みたから、立ち止まって、ハンカチを出そうと鞄をまさぐった。
緊張して、上手く話せない。
例えば、「おはよう」って話しかけたいとする。
そうすると、言うタイミングは今で大丈夫かな、とか、馴れ馴れしいなんて思われないかな、とか、いろんなことが気になって、「おはよう」を言うまでにすごく勇気がいる。
なのに、勇気を振り絞って言った「おはよう」は、案外声が小さすぎて相手に聞こえなかったりとか。
そんなことが、私は日常茶飯事。
二学期こそは、クラスに友達、できるといいなぁ。
校門前の上り坂を一歩一歩のぼりながら、そんなことを思った。
今日から、高校一年の二学期が始まる。
暦は秋だけど、日差しはまだまだ真夏。
目元ギリギリに揃った前髪が額にぴったりとくっつく。
一瞬だけ、ぶわっと風が通り過ぎて、腰まであるおさげの三つ編みがなびいた。
今の、いい風。
私の前を歩く、同じ制服を着た女の子達が、ひゃー、なんて声をあげた。
あんな風に友達同士で笑い合って登校したり、友達同士で騒いだり。
いつか私も、そんな風になりたい。なれるかな。
坂の上に小さく校門が見え始める。
じんわりと滲む額の汗が目に染みたから、立ち止まって、ハンカチを出そうと鞄をまさぐった。