消極的に一直線。【完】
一人になって、テーブルに置かれたメニューを手に取る。



それを開くと、一番最初のページに『パンケーキフェア』と書かれていて、いろんな種類のパンケーキが並んでいた。



どれもすごく美味しそう。

悩むなぁ。



次のページまで続いていると思って、パラリとメニューをめくると、そこには持ち帰り用のお菓子が載っていた。



可愛い箱に入った、ケーキやクッキーの写真。


今度何かの時にはここで贈り物のお菓子を買ってもいいなぁなんて思いながら見ていたら、赤い箱が映った写真が目に入った。



バレンタインに見た光景がフラッシュバックする。



あの日、雫ちゃんが、男子に渡していた赤い箱。



相手の男子は、学年で少し有名なイケメンくんの真内銀十郎くん。



あんなに丁寧に綺麗に包装されていたし、絶対あれは本命チョコだと思う。



見ちゃいけない場面だったのかもと思いつつ、頭から離れない光景。



あのおとなしい雫ちゃんが、一生懸命頑張って渡したのかなって思ったら。



すごく応援したい。



もしかしてもう付き合ってたりするのかな。



そうだといいな。


上手くいってるといいなぁ。

上手くいっていてほしい。



どうか、上手くいってますように。
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