消極的に一直線。【完】
「あの、朝羽くん! 好きです。付き合ってください」
春休みの部活終わり。
待ち伏せされていて、話があると連れて来られた体育館裏で告白された。
「ありがとう。気持ちは嬉しい」
これから言わなければいけない言葉に胸が痛む。
「だけど、君の気持ちには応えられない。ごめん」
相手は毎度違うけど、もう何度このセリフを言ったかわからない。
「そう……ですか」
明らかに傷ついた顔で笑ってみせるその女子に、あぁまただ、と苦しくなる。
「さ、サッカー、応援してますから!」
ごめん。本当にごめん。
「ありがとう」
走り去っていく名前も知らない女子の背中を見送りながら、こういう時にどう対応したら良いのか未だにわからない自分に腹が立つ。
この瞬間が、一番嫌いだ。
その子の気持ちが、僕には痛いほどわかる。
好きな人が、自分のことを好きになってくれない気持ち。
僕も同じだから。
僕の好きな人――鈴葉は、嵐のことが好きだ。
春休みの部活終わり。
待ち伏せされていて、話があると連れて来られた体育館裏で告白された。
「ありがとう。気持ちは嬉しい」
これから言わなければいけない言葉に胸が痛む。
「だけど、君の気持ちには応えられない。ごめん」
相手は毎度違うけど、もう何度このセリフを言ったかわからない。
「そう……ですか」
明らかに傷ついた顔で笑ってみせるその女子に、あぁまただ、と苦しくなる。
「さ、サッカー、応援してますから!」
ごめん。本当にごめん。
「ありがとう」
走り去っていく名前も知らない女子の背中を見送りながら、こういう時にどう対応したら良いのか未だにわからない自分に腹が立つ。
この瞬間が、一番嫌いだ。
その子の気持ちが、僕には痛いほどわかる。
好きな人が、自分のことを好きになってくれない気持ち。
僕も同じだから。
僕の好きな人――鈴葉は、嵐のことが好きだ。