消極的に一直線。【完】
「あーもう、春休み短いんだから、こんなに課題出さないでよねー」



目の前にある課題に飽き飽きして、机に突っ伏した。



すると、隣からクスッと笑う雫の声。



あたしと雫は、課題を終わらせるために、雫の部屋で勉強している。



山のようにある課題は飽き飽きだけど、雫といる時間は楽しい。



「あ、お茶と、お菓子、入れてくるね」


「うん、ありがと」



空になったコップとお盆を持って部屋を出て行く雫の背中を見ながら、初めの頃に比べて随分と自然に話してくれるようになったなぁ、なんて少し顔が綻んだ。



一人になった部屋で、腕を延ばしてノビをする。



雫の部屋は、整理整頓が行き届いていて、可愛い小さな動物の置物がバランスよく置かれている。



窓際の棚の上に置かれた小さな鉢植えの植物は、きっと枯らされることはないんだろうな。



雫らしい部屋。
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