消極的に一直線。【完】
「哀咲さん、」



私に視線を戻した大西さんが、高揚させた笑顔を向ける。



「今度、語ろうね!」



とても楽しそうに言う大西さんに、不安だった気持ちが吹っ飛ぶ。



だけど、語るって何を語るんだろう。



「ちょっとあんた達、雫を変な方向に巻き込まないでよ?」



倖子ちゃんが、呆れたように、大西さん達に向かってため息を吐いた。



「大丈夫。ただ興味があるだけだから」


「……大丈夫な気がしない」








そんなやり取りをしているうちに、一人、また一人と、クラスメイトが集合場所に集まってきて、颯見くん以外全員揃ったところでカラオケに移動になった。
< 228 / 516 >

この作品をシェア

pagetop