消極的に一直線。【完】
――――……
一時間目、二時間目、と高二になって初めての授業が進んで行く。
どの教科も去年と同じ先生なのに、一緒に授業を受けているメンバーが違うだけで、去年とは全く違う空気。
颯見くんと一緒に授業を受けていて、同じ、この教室の空気を吸っている。
それが、なんだかとても不思議で、貴重で、大切にしなければならないことのような気がして、少し、落ち着かない。
「はい、今日の授業はここまで」
物理の先生がパタンと教科書を閉じると、ちょうどよくチャイムが昼休みの始まりを告げた。
先生が教室を出ると同時に、騒がしくなる教室。
沸き立った声を耳にしながら、机の上に開かれたままのノートや教科書を、一つ一つ閉じて片付けていく。
「颯見ー、昼飯どこで食べんの?」
聞こえた名前に、教科書を持ったまま手が止まった。
「学食!」
ちらりと視線を向けると、数人の男子が颯見くんの席を囲んで話している。
「お、じゃあ俺も学食!」
「俺、学食の中華丼食べたかったんだよなー」
「あれ不味いらしいぜ?」
「マジかよ!」
颯見くんも、その周りの男子も、すごく楽しそう。
やっぱり、颯見くんはすごい。
気がつけばいつでもたくさんの友達が寄ってきて、颯見くんも、友達も、自然で、楽しそうで。
鈴葉ちゃんと同じだ。
一時間目、二時間目、と高二になって初めての授業が進んで行く。
どの教科も去年と同じ先生なのに、一緒に授業を受けているメンバーが違うだけで、去年とは全く違う空気。
颯見くんと一緒に授業を受けていて、同じ、この教室の空気を吸っている。
それが、なんだかとても不思議で、貴重で、大切にしなければならないことのような気がして、少し、落ち着かない。
「はい、今日の授業はここまで」
物理の先生がパタンと教科書を閉じると、ちょうどよくチャイムが昼休みの始まりを告げた。
先生が教室を出ると同時に、騒がしくなる教室。
沸き立った声を耳にしながら、机の上に開かれたままのノートや教科書を、一つ一つ閉じて片付けていく。
「颯見ー、昼飯どこで食べんの?」
聞こえた名前に、教科書を持ったまま手が止まった。
「学食!」
ちらりと視線を向けると、数人の男子が颯見くんの席を囲んで話している。
「お、じゃあ俺も学食!」
「俺、学食の中華丼食べたかったんだよなー」
「あれ不味いらしいぜ?」
「マジかよ!」
颯見くんも、その周りの男子も、すごく楽しそう。
やっぱり、颯見くんはすごい。
気がつけばいつでもたくさんの友達が寄ってきて、颯見くんも、友達も、自然で、楽しそうで。
鈴葉ちゃんと同じだ。