消極的に一直線。【完】
まだ残暑が抜けない九月の半ば。
『体育祭選手決め』と書かれた黒板を前に、それぞれの後ろや前や隣の席の人とワイワイ騒ぐクラスメートたちを、眺めていた。
「ということで、全種目の選手が決定しました」
体育委員の大西さんが、教壇の前に立って、仕切る。
「早速、今日の昼休みから各種目ごとに練習します。放課後はクラス対抗の大縄ね」
はーい、とか、へーい、とか、クラスメートが返事をして、ホームルームが終わった。
『ムカデ競争』の字の下に書かれた自分の名前が、消されていく。
それをぼんやりと眺めて、憂鬱な息を吐いた。
運動は決して得意ではないから、あまり運動能力を問われないムカデ競争に手を挙げたけど、ちゃんと迷惑かけないようにできるかなぁ。
五人一組で息を合わせる競技だから、私一人がみんなの足を引っ張るわけにはいかない。
不安や心配ばかりが胸の中に渦巻いて、少し気分が悪くなった。
『体育祭選手決め』と書かれた黒板を前に、それぞれの後ろや前や隣の席の人とワイワイ騒ぐクラスメートたちを、眺めていた。
「ということで、全種目の選手が決定しました」
体育委員の大西さんが、教壇の前に立って、仕切る。
「早速、今日の昼休みから各種目ごとに練習します。放課後はクラス対抗の大縄ね」
はーい、とか、へーい、とか、クラスメートが返事をして、ホームルームが終わった。
『ムカデ競争』の字の下に書かれた自分の名前が、消されていく。
それをぼんやりと眺めて、憂鬱な息を吐いた。
運動は決して得意ではないから、あまり運動能力を問われないムカデ競争に手を挙げたけど、ちゃんと迷惑かけないようにできるかなぁ。
五人一組で息を合わせる競技だから、私一人がみんなの足を引っ張るわけにはいかない。
不安や心配ばかりが胸の中に渦巻いて、少し気分が悪くなった。