消極的に一直線。【完】
真内くんは表情を変えないまま、私をしばらく見て、少し息を吐いた。






「部活も、辞めてもいい」







言われた瞬間、ズン、と鈍く頭を叩かれたような衝撃が走る。



いつも私に向けてくれていた吉澄さんの笑顔が、脳裏に浮かび上がって消えた。






部活を辞めたら、もう吉澄さん達との接点はなくなってしまう。



辞めてもいい、という言葉。

その最初に浮かんだ解釈があまりに残酷で、手足の感覚が無くなっていく。



辞めてもいいっていうのは、辞めてほしいってことなのかな。



真内くんの表情は相変わらず読み取れなくて、少し救われる。



だけど、吉澄さん達が、私に部活を辞めてほしい思ってしまうのも当たり前のことなのかもしれないと思った。



部活中のことを思い返してみると、私はいつも話しかけてもらうばかりで、自分から言葉を発したことなんてほとんどない。



きっとすごく気を遣わせていた。




それなのに私は、どうしても、辞めるという選択肢に辿りつきたくないと思ってしまう。
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