消極的に一直線。【完】
「けど、」
真内くんが、私の思考を遮って低い声を落とした。
「あいつらも、辞めて欲しくないって言ってる」
予想外であり、心のどこかで求めていた言葉が、驚くほど鮮明に耳に響いた。
感覚を失っていた手足に、温度が宿る。
胸に渦巻いた暗闇が一気に晴れて、ポッと花が咲く。
私も、辞めたくない。
吉澄さん達の織り成す会話は理解できたりできなかったり。
それでも、側にいる私が蚊帳の外に感じない不思議な空気。
それがとても心地よく、好きになっていた。
「続けるか?」
そういう聞き方をした真内くんは、もしかしたら私の気持ちをわかっているんじゃないかと思った。
頷くと、「わかった」とだけ呟いて歩き出す。
それに続くと、歩幅を合わせて隣に並んでくれる。
真内くんだけじゃなく、吉澄さん達はいつもそうやって歩いてくれていたなぁと思い出した。
もう一緒に登下校は出来ないけれど、また部活で会える。
辞めて欲しくないと言ってくれた。
その事実が、とてつもなく嬉しい。
真内くんが、私の思考を遮って低い声を落とした。
「あいつらも、辞めて欲しくないって言ってる」
予想外であり、心のどこかで求めていた言葉が、驚くほど鮮明に耳に響いた。
感覚を失っていた手足に、温度が宿る。
胸に渦巻いた暗闇が一気に晴れて、ポッと花が咲く。
私も、辞めたくない。
吉澄さん達の織り成す会話は理解できたりできなかったり。
それでも、側にいる私が蚊帳の外に感じない不思議な空気。
それがとても心地よく、好きになっていた。
「続けるか?」
そういう聞き方をした真内くんは、もしかしたら私の気持ちをわかっているんじゃないかと思った。
頷くと、「わかった」とだけ呟いて歩き出す。
それに続くと、歩幅を合わせて隣に並んでくれる。
真内くんだけじゃなく、吉澄さん達はいつもそうやって歩いてくれていたなぁと思い出した。
もう一緒に登下校は出来ないけれど、また部活で会える。
辞めて欲しくないと言ってくれた。
その事実が、とてつもなく嬉しい。