消極的に一直線。【完】
あと数歩で校門を抜ける。



校門を抜けたら、誰かと一緒の登校は終わって、次からは私一人の登下校。



少し切ない思いを抱えながら、校門のレールを跨いだ。



吉澄さん達と登校してきたとき、校門を跨ぐと、いつの間にか“みんなで登校”は終わっていて、それぞれバラバラになっていた。



今隣に歩いている真内くんも、あと数秒もすればどこかへ行ってしまう。













そう思ってから、どのくらい経っただろう。



あれ、と思った頃には、もう校門から靴箱までの距離の半分を過ぎていて、それなのに真内くんは、まるで当たり前のように私の隣を歩いている。



どうしたんだろうと思いながらも、明日からは一人だという寂しさに負けて、“誰かと一緒”というこの状況に甘えている。



もう少ししたらどこかへ行ってしまうのかな。


まだ、もう少し、一緒に歩いてほしいな。





そんな思考を巡らせていたら、歩調を合わせて隣を歩いてくれていた真内くんが、ピタっと足を止めた。
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