消極的に一直線。【完】
心臓がザクっと抉られたみたいに悲鳴をあげた。



苦しい。


痛い。



虚しく動く脈の音が、嫌に耳に響く。



きっと颯見くんは私の好意に気づいていて、困っていた。



やっぱり朝羽くんに言われた時に、ちゃんと諦めておけばよかった。


そうすれば、こんなに苦しくならずに済んだかもしれないのに。





息が苦しくなって、喉の奥に空気がつっかえる。





私、フラれた。





完全に、失恋した。





じわ、と目の奥が熱くなって、堪え切れなくなった涙が流れ出てしまった。

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