消極的に一直線。【完】
「けど、やっぱり顔色は良くない。こっち来て」



一番近いベッドに近付いて、掛け布団をサッと半分めくった颯見くん。



優しく笑って手招きされて、誘われるままにベッドへ向かう。



必死に抑え込んでいるのに、それを押しのけて出てこようとする気持ちが、もう無視できないぐらい、鼓動がうるさい。



「はい、寝て」



まるで小さな子どもを誘導するみたいに、颯見くんが優しくベッドの上をポンポンと叩いた。



高鳴る鼓動を耳で聞きながら、ベッドの脇に腰を落として、上靴を脱ぐ。



脚をベッドの上にあげて、ゆっくり上半身をベッドにつけた。



「俺は何もしねーから、安心して寝て」



そう優しく笑って、めくった掛け布団をそっと掛けられた。
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