消極的に一直線。【完】
僕も同じ。

鈴葉に告白できないのは、フラれるのがわかっているからだけじゃない。


幼馴染として三人で歩ける今の関係を壊したくないから。



僕にとっては、鈴葉と恋人同士で歩くよりも、幼馴染三人で歩く今の方がいいと思ったから。



だからこそ。




「僕が思うに、今のままの方が充分気まずくなってるし関係壊れかけてるんじゃない?」



カップを揺する鈴葉の手が止まった。



「どうせ気まずくなってるんだから、打ち明けてスッキリしちゃいなよ」



ゆっくりと鈴葉の視線がカップから僕に移る。



不安の色を帯びた瞳を向けられて、たまらず微笑んだ。



「大丈夫。どんな結果になろうと、僕達の関係が壊れるようなことには、僕が絶対させないから」




だから、笑って。前を向いて。



「僕を信じて」







~和仁(カズ)side end~
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