消極的に一直線。【完】
「うちの部は人数足りなくて非公認。部費なんてない」



混乱しかけていた思考を、真内くんの低い声が制止した。



「その代わり、これが入ってた」



パラっとまた膝に乗せられたのは、小さな紙切れ。



よく見ると『売店は嘘。哀咲さん最近よく泣きそうな顔してる。どうにかしてあげて』と書かれていた。



「歌奈はずっとあんたを心配してる。あの日から」



あの日。
それはたぶん、私が颯見くんに釘を刺された日。



待ってくれていた吉澄さん達の前に、泣き腫らした目で現れて、何も言わさず帰った日のことだ。




「何があった? アイツと」



真内くんがより一層低い声で言って、視線をグラウンドに向けた。
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