消極的に一直線。【完】
真内くんの視線の先をたどりかけて、途中でやめる。



きっと、その先にいるのは、部活中の颯見くん。



今、視線をたどってしまったら、真剣に走り回る颯見くんからきっと目が離せなくなってしまう。



そしてまた、ドキドキして、好きな気持ちが大きくなって。



“釘を刺されたから好きでいることを辞めなきゃいけない”と真内くんに説明しながら、心は真逆の方向へ進んでる、なんてことになってしまう。




見れない。
絶対に見ちゃいけない。



私の想いは、颯見くんにとって邪魔でしかないんだから。


邪魔だから、颯見くんは、わざわざ私に釘を刺したんだから。




鈴葉ちゃんのことを好きだと言った、颯見くんの真っ直ぐな目。



思い出して、ぎゅうっと心臓が抉られた。




せばまった内臓に押されて、息苦しい。

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