消極的に一直線。【完】
「逆に告られてたりして」



そんな言葉が耳に入って、思い切り心臓が飛び上がった。



勢いよく、ベッドから立ち上がる。



「哀咲さん、もう大丈夫なの?」



顔が熱い。



私、颯見くんに告白してしまったんだった。



急に、熱を持った恥ずかしさがこみ上げてくる。




「雫?」



倖子ちゃんに顔を覗き込まれて、反射的に手で顔を覆う。



見られたくない。


今、私の顔はたぶん真っ赤だ。



そのまま、群がるクラスメートの中を前に進む。




「え、ちょっと雫、どうしたの?」




グイッと腕を引かれて、顔を隠していた手が外れた。



私の顔を見た倖子ちゃんの目が、大きく見開いた。
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