消極的に一直線。【完】
喧騒が止まって、シン、と静まる保健室。



カチ、カチ、と秒針だけは、変わりなく音を刻む。



開いているドアから、廊下の賑やかな声や足音が聞こえてくる。



誰かが、ごく、と息を呑む音が聞こえた。









「俺が、哀咲に告った」









颯見くんの視線が真っ直ぐ私に向かってきて、ドクン、と心臓が動いた。







「つーか、告ろうとしてたとこだったんだよ」







そう力なく言って、颯見くんはポスッとベッドに腰を下ろした。
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