消極的に一直線。【完】
今も昔も、俺にとっての鈴葉は。


これからの、鈴葉にとっての俺は。



「大切な幼なじみだよ」


「好きかと思ってた」


「強いて言うなら家族愛だな」


「ふーん、そうなんだ」



すんなりと受け入れた吉田は、ゴロン、と上半身を倒してベッドに寝転んだ。



さっきはそこに哀咲がいたのになぁ、と少し吉田を恨めしく思う。









「ねーねー、いつから哀咲さんのこと好きだったの?」



さっきはあんなに俺を責めていた女子が、もう楽しそうにその話題に乗ってきた。



違うんだよ、俺はこんな風に話題にされたくて、あんなことを言ったんじゃない。






「そういうことは哀咲にだけ伝わればいいから。他の奴には言わない」





言うと、女子達がきゃーっと声をあげてはしゃぎだした。




あーもう違う、そうじゃない。




今になって、クラスの奴らの前で告白したことを後悔する。
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