消極的に一直線。【完】
「ねーねー、コイバナしようよ」
不意に誰かがそんなことを言ったから、颯見くんを見ていた視線を慌てて戻した。
「いいね、しよしよ!」
そんな言葉で、少しだけみんなが浮き立った。
「あたし前から思ってたんだけど、ケイコって枡屋のこと好きでしょ」
「え、何、なんで! わかるの!?」
きゃー、なんて言いながら話が進む。
こういうの、なんだかいいな。
夏でも午後八時はもう真っ暗で、日中の照りつけるような太陽もなくて、少し生暖かい風の吹く、気持ちのいい砂浜。
いつもと違う場所。
静かなのに、浮き立つような騒つく空気。
噴射する花火の光で、少しだけ、みんなの顔が赤く見える。
男子達は知らない秘密を、女子全員で共有し合うみたいで、なんだかドキドキする。
「いいじゃんいいじゃん、告っちゃいなよ」
「え、どうしよ。いけるかなぁ」
コイバナってこんな感じなんだなぁ。
中学の修学旅行でも、同じ部屋の女子達が夜にお菓子を食べながらそんな話をしていたけれど、私はその輪に入ることはなくて、布団の中で目を閉じながら聞いていた。
あの時とは全然違う。
不意に誰かがそんなことを言ったから、颯見くんを見ていた視線を慌てて戻した。
「いいね、しよしよ!」
そんな言葉で、少しだけみんなが浮き立った。
「あたし前から思ってたんだけど、ケイコって枡屋のこと好きでしょ」
「え、何、なんで! わかるの!?」
きゃー、なんて言いながら話が進む。
こういうの、なんだかいいな。
夏でも午後八時はもう真っ暗で、日中の照りつけるような太陽もなくて、少し生暖かい風の吹く、気持ちのいい砂浜。
いつもと違う場所。
静かなのに、浮き立つような騒つく空気。
噴射する花火の光で、少しだけ、みんなの顔が赤く見える。
男子達は知らない秘密を、女子全員で共有し合うみたいで、なんだかドキドキする。
「いいじゃんいいじゃん、告っちゃいなよ」
「え、どうしよ。いけるかなぁ」
コイバナってこんな感じなんだなぁ。
中学の修学旅行でも、同じ部屋の女子達が夜にお菓子を食べながらそんな話をしていたけれど、私はその輪に入ることはなくて、布団の中で目を閉じながら聞いていた。
あの時とは全然違う。