消極的に一直線。【完】
「ねぇ」
声をかけると、はっと肩を揺らして中雅鈴葉が振り向いた。
その顔を見たら、どうやら、泣いてはなかったみたいだ。
どうせさっき雫に言ってた、先生に呼ばれてるっていうのも嘘なんだろう。
「隣、座るよ」
そう言うと、中雅鈴葉は「どうぞ」と笑った。
ベンチによいしょ、と腰を落とすと、夏真っ盛りの太陽が、ジリジリと肌を痛めつけてくる。
「あんたさ、雫に言わなくて良かったの?」
「え?」
突然のあたしの言葉に、キョトンと可愛らしくあたしを見る。
あーなんか、可愛いのってムカつく。
「颯見のことが好きだった、って」
そう言うと、中雅鈴葉は少し目を見開いた後に、ふふ、と笑った。
「やっぱり、寺泉さんは優しいね」
「は?」
全く答えにならないことを言われて、眉間にシワが寄る。
だけど中雅鈴葉はそんなの御構い無しで話を続けた。
声をかけると、はっと肩を揺らして中雅鈴葉が振り向いた。
その顔を見たら、どうやら、泣いてはなかったみたいだ。
どうせさっき雫に言ってた、先生に呼ばれてるっていうのも嘘なんだろう。
「隣、座るよ」
そう言うと、中雅鈴葉は「どうぞ」と笑った。
ベンチによいしょ、と腰を落とすと、夏真っ盛りの太陽が、ジリジリと肌を痛めつけてくる。
「あんたさ、雫に言わなくて良かったの?」
「え?」
突然のあたしの言葉に、キョトンと可愛らしくあたしを見る。
あーなんか、可愛いのってムカつく。
「颯見のことが好きだった、って」
そう言うと、中雅鈴葉は少し目を見開いた後に、ふふ、と笑った。
「やっぱり、寺泉さんは優しいね」
「は?」
全く答えにならないことを言われて、眉間にシワが寄る。
だけど中雅鈴葉はそんなの御構い無しで話を続けた。