消極的に一直線。【完】
放課後の体育館倉庫裏は、人が全くと言っていいほど通らない。



少し距離をあけて、向かい合って立つ私と真内くん。



側から見たら、告白現場とも思われそうな構図。



だけど、成される会話は全く真逆の雰囲気を纏ったものだった。





「雫ちゃんの気持ち弄ぶようなことしないで。二人で話したいって何なの。雫ちゃんをフっといて、その上何を言うつもりなの」



会話というよりは、私が一方的に追い詰めている。



真内くんは、ただ、そんな私を黙って見つめるだけ。



「さっきの、俺がもらう、とか何とか言ってたのはどういう意味? 雫ちゃんのこと好きじゃないなら、もうちょっかい出さないであげてほしいんだけど……」




どうして、何も言わないんだろう。



私は真剣に話しているのに、これじゃあ受け流されているだけみたい。
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