消極的に一直線。【完】
その日から、シズクと呼ばれる女子のことが気になって、俺は毎日鈴葉の塾の送り迎えをするようになった。



彼女は、不思議だ。



その姿を目にするだけで、俺の中の何かが動く。



会いたい。

会いたい。

今日も会いたい。


近付きたい。

話してみたい。




一度でいいから、その瞳に俺を映したい。






彼女は俺の存在を知らない。



彼女の知り合いである鈴葉といれば、もしかしたら彼女と話す機会が訪れるんじゃないかって。



そんな、今まで一度も実現したことのない夢を描いている。
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