消極的に一直線。【完】
地元一のマンモス校に進学した、俺と鈴葉とカズ。



俺と鈴葉は同じクラスになり、カズは遠く離れたクラスになった。



俺とカズはサッカー部に入り、鈴葉はサッカー部のマネージャー。
帰りはいつも三人で帰る。



新しい友達もたくさん出来て、中学より速く進む授業や課題の多さに苦戦しながらも、なんとなく楽しく高校生活を過ごしていた。





だけど一つだけ。

小さく深く空いた心の穴。





もう、あの子には会えない。






本当にもう天命に祈ることしかできなくなってしまった今。



記憶からかたどられたあの子の姿が、頭から消えない。




会いたい。




何も残されていない今になって、後悔している。



姿を見るだけで満足して、終わらせるんじゃなかったって。



鈴葉といれば話せる日が来るかもなんて、受け身でいるんじゃなかったって。



もう今になってそんなことを後悔してももう遅い。



こんなにどうしようもなく、会いたいのに。
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