消極的に一直線。【完】
背もたれを前にして跨って、窓を向く哀咲の顔をそっと覗き込む。



閉じた瞼。


薄く開いた口から漏れる吐息。




ああ、やっぱり。
俺は、目が離せなくなる。



耳の奥でドクドク打ち付ける心臓が痛くて苦しい。



しなやかに垂れる前髪が、窓からの風でサラリと揺れて、白い額が露わになった。



透き通って消えてしまいそうな白い肌に、ぎゅっと掴まれた心臓が痛くて、思わず手を延ばす。



そっと、その額に指を触れると、哀咲の温かい温度が伝わってきた。











「……好きだ」






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